ケイオスマジックのシンボル
エターナルチャンピオンシリーズの
エルリック・サーガに登場する混沌の神
の象徴が元ネタとされている。
ケイオスマジック(Chaos magic)とはなんぞや?というお話です。エターナルチャンピオンシリーズの
エルリック・サーガに登場する混沌の神
の象徴が元ネタとされている。
まあ、このあたりはウィキなどにも書かれているため、調べればいくらでも出てくるので、書く必要はないかな?と思ってましたが、意外と「意味が分からない」という人が多いので、今回触れていこうかなぁと思います。
正直、書く必要もないと思ってたので、番外編ということで書いていきます。
まず、ケイオスマジック(カオスマジックとも言います)という名前は、「ピーター・J・キャロル(peter.J.carroll)」という人物が自身の書籍「Liber Null」の中でカオスという言葉の事を「出来事の起源と継続的な作用に責任を負う「もの」」として表現したことから、魔術とつなげて「カオスマジック」と呼ばれるようになりました。
ただ、たまーに間違っている方がいるのですが、この「ケイオス(カオス)」という言葉を作った人だと誤解している方がいます。
あくまでピーターさんはこの「ケイオス(カオス)」という言葉を初めて魔術世界において当てはめて使用しただけです。
一応説明ですが、このケイオス(カオス)はギリシャ神話の「ケイオス」という世界観から来ています。
このケイオスという世界観はすごーく解説する人によって変化していきますが、それらをまとめると「世界が誕生する・・前の「無」の空間」という感じでしょうか?でも完全に「無」ではなく、すべてが生まれる要素の詰まった「無」であるという・・・はい、難しいですね~。
一般的な解釈をもとにまとめると、宇宙(世界)が生まれるための事柄が誕生するための空間であり、その空間も神としての名前がつけてありそれが「カオス」だという・・・・。
気になる方は自分で調べてみてください(笑)。
カオスに関してはものすごく解釈について色々な方が意見しているので、これだけでもしばらく暇つぶしになるぐらい面白いですよ(^^)
そしてピーターさんはカオスについてこう説明を追加しています。
「神や道(ここでの道とは日本だと「道」という概念ですかね?武道とかそういう使い方の「道」という意味だと思います)と呼称することも可能だけれども、カオスという名前は無意味であり、宗教という擬人化するような考え方にもとらわれないものである」
※たぶんこういう意味だと思います。
まー難しいですね。
魔術における様々な考え方、とらえ方などは、いわば著者たちの新たな探求が生んだ「自分なりの解釈」であることが多いため、後世においてはその概念の解釈の追求を主に考える傾向が強いのです。
結果、宗教っぽくなってしまうわけですね(まあ、ほぼ宗教に近い形で信仰?している人は多いかと思います)。
そのため、表現の解釈はとっても難解です。
で、ケイオス(カオス)マジックですが、ここの説明はかなり難しいと思います。
逆に魔術が簡単になった!という方もいますが、その思想というか、考え方の解釈を視点にすると説明が難しくなるのです。
というのも、ここに触れる前に、まずはそれまでの魔術の歴史というか伝統というか、思い込みから始まります。
そもそも、それまでの魔術の大半は、たとえば伝統的な呪文と昔から伝わる儀式の手順などを守らないと効果がない!という考え方が圧倒的に強かったのです。
なので、その魔術における実践などは大衆にとって難解極まりないものがありました。
※まあ、この部分に関しては、むかーしむかしの錬金術の時代から術者たちのグループしか理解できない言葉や儀式を使用して自分たちは「特別だ」という感じを出していましたので、その流れでしょう。
それどころか、生贄や、土葬の墓場の土のうち、まだ遺体を埋めてすぐの土の上で儀式をするとか、一般人には絶対ムリ!というような内容もあったわけです。
そこにまず嫌悪感を示していたであろう人が、シジルマジックを考案したオースティン・オスマン・スパーという方です(この方の話もいずれ書く予定です)。
紆余曲折は省きますが、そのオースティン・オスマン・スパーの技法などを取り込んで使用したのがピーターさんやレイ・シャーウィン(この方はピーターさんの協力者で、ケイオスマジックの創始者の一人とされています)です。
という簡単な感じで理解していただければよいかと・・・。
深く理解しようとすると、時間が膨大にかかりますので、興味を持って勉強したい人は深堀してください。
で、めっちゃ簡単に説明していきますが、ケイオスマジックの特性としては「伝統的な無意味な儀式や技法、象徴や、その他のお飾りに近い物事よりも、特定の結果の実現だけを得る魔術」です。
もっと簡単に言うと「無意味なものは省いて魔術しようぜ!」という事なんですね。
※こう言うと、怒る方もいますが、ぶっちゃけるとそういうことです。
ここはもう少し詳しく書かなければならないかもしれませんね。
どういうことかというと、伝統的な魔術(正式な魔術名称などは書きません、その手の方々から抗議が殺到する恐れがありますので・・・)の中には魔術の発動条件としては無意味じゃないか?という内容がいくつも存在すると考えます。
その無意味な部分を取り除いて、結果が出るものだけを使用するのだという事です。
魔術に浸透しているルール、シンボル、星と神々、悪魔などを必死に記憶してというのはナンセンスで、いろんなことを試して魔術が発動した技術のみを必要とするというわけですね。
じゃあ、ケイオスマジックはどこからのその魔術を実現するエネルギーを得るのか?という部分になりますが、それは「信念」です。
これを説明するにはピーターさんの用いた「グノーシス」という状態について触れる必要があります。
この定義は「特別な意識状態」であると考えられ、魔術を実現するのに重要な部分です。
これも簡単に説明するのは難しいのですが、いわば「一つの物事の実現(目標などの)に集中し、他の邪魔な思念がすべて自分の中から取り払われたときに発動する」という感じです。
そしてその状態に到達するための手段として、伝統的な形式にとらわれない自分独自の方法を開発することが必要だと解釈できます。
「信じるものは救われる」の究極系とも言えるのではないでしょうか?
それまでの魔術は儀式や呪文などで神の力や悪魔の力を借りて魔術を行使するというような考え方が主流だったので、逸脱しているとしてもよいと思います。
さてはて、ここまで書いても「なんのことやら?」と思う人は多いと思いますので、もうちょっとかみ砕きましょう。
1 伝統的な魔術の場合
・悪魔召喚したいよ~!
a 悪魔召喚のための決まったシジルを用意!道具も決まったものが必要!
b この悪魔は水星に対応してるぞ!時間は何時の曜日は何曜日だぞ!
c 呪文おぼえろ!魔法陣用意しろ!生贄用意しろ!
a.b.cすべての条件満たした上でその悪魔に信仰がないと呼べないぞ!
2 ケイオスマジックの場合
・悪魔召喚したいよ~!
a 決まった方法は無い!信念とそれを具現化する方法を見つければよい!
方法は自由だ!まじりっけない信念のもとに呼び出せるぜ!
とまあこうなると思います。
ただし、ケイオスマジック自体、様々な方が自由に解釈、理解し、広めているのが現状ですので、やっぱり考え方が統一されず、それこそ「混沌」としているのが現状です。
ただ、共通点はゆるぎない信念が重要であり、それを実現する方法は自由という部分ではないでしょうか?
ピーターさんがスパーの「シジルマジック」を採用したもの、あくまで信念を具現化するための自由なツール作りの一つとして考えた節もあります。
ただ、それがいつしか「シジルマジック」を行使してケイオスマジックを行わなければならない!という人もいますし・・・。
まあ、実際、魔術書等の概念って難しいんですよね~解釈が・・・。
なお「信念」とは書きましたし、「グノーシス」の話にも触れましたが、このブログでの説明はあくまでめっちゃ「簡単」に説明しています。
実際はグノーシス状態にも種類があったりしますし、「無意識状態」が魔術の発動に必要な部分もあります。
なおピーターは、
「カオス...それは生命を塵から進化させた力であり、現在は人間の生命力、つまりキアに最も集中して現れており、意識の源となっている...。キアがカオスと一体になることができる範囲で、その意志と知覚を宇宙に広げ、魔法を実現することができる」
と言っています。
※キアとは「普遍的な精神」の事を言います。これはすべての存在の根底にある本質であって、宇宙の事を言います。すこし難しいですが「人間の心という概念が生まれる前に宇宙で起こった物事や存在」というところでしょうか?ですが、この部分もとてもややこしいので興味がある方は調べてみてください。
と、ここまで、ものすごくできるだけ簡単にケイオスマジックについて触れましたが、これでも「なんのこっちゃ?」と思う人は多いのではないでしょうか?
ここから先はピーターさんの著書Liber Null&Psychonautなどを読んでみてください。
いやはや、言葉で「簡単に説明」するというのは難しいですね。
この記事が魔術について知りたい人の興味の糧になれば幸いです。
それではまた・・・。