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魔法や魔術、呪術の知識など、オカルト系をYoutubeで公開しています。 ただ、動画だけだと表現しにくい部分もありますので、こちらのブログでぼちぼち補足などを含め書いていこうと思います。

heimudarusamune
ヘイムダルに関連する8文字のルーン。
セカンドアエットとも呼ばれる。

 ルーン文字のうち、ファーストアエットの次にあたる八文字「セカンドアエット」の話になります。
 ルーン文字については順番に書いていますので、前までの流れはそちらを読んでください。
「ルーン文字について その1」
「ルーン文字について その2 種類とファーストアエット」

 その2で説明したとおり、ファーストアエットはフレイアに関連するとされる8文字ですが、セカンドアエットは神ヘイムダルに関連する8文字とされています。
 ※ヘイムダルとは北欧神話の光の神で、白いアースという異名もあります。有名な角笛ギャラルホルンの持ち主とされています。

 それでは文字ごとの説明に入ります。
 (説明の見方はその2のほうの最初に書いてありますので、そちらを参考に)。

ハガラズ
E:ハガラズ A:ヘーグル Y:ハガル
意味:
表現:災害・悪天候・困難な物事・破壊・混沌
 災害、悪天候の意味に関してはそのまま「雹」の意味合いが反映されています。
 ここで言う雹は、小さいものではなく、もっと大きなものを意味しています。
 破壊、混沌の意味はノルウェー語の詩のほうからとられています。
 とはいえ、おおもとの意味としては「雹」のような大粒の雨=降水量を指しているという指摘もあります。
 説明する人によっては、雹が降る天候=暗闇の世界ととらえ、破壊という意味から「ラグナロク」へとつなげているひともいるようです。
 まあ、大粒の雹であれ、多大な降水量であれ、どちらも破壊にはつながりますよね。
 
ナウデーズ
E:ナウディス A:ティッカー Y:ナウズール
意味:必要・苦難
表現:必要性・悩み・制約・満たされていない欲望
 この文字は圧倒的に情報が少ない文字になります。
 意味はノルウェー語、オールドイタリック、アングロサクソンの詩から情報を得て解釈されたものです。
 その詩から見れば、「制約」という意味合いが一番強く感じます。
 一般的に多い解釈としては、人が必要をする「何か」と、その物事(欲望)を満たすために必要な能力との「差」のことを指しているルーン文字だと言われています。

イサズ
E:イサズ A:イース Y:イズ
意味:
表現:静けさ・反省・瞑想・封印
 この文字の面白いところは、意味があるという人と、意味不明(詩の内容が解釈できない)という人の2者に分かれるところです。
 占いで使っているのに「意味不明」とする人がいるという矛盾がとても面白いです。
 (というか、このルーンに関連する詩はけっこうどれも意味不明にも感じますけどね)。
 さて、表現としてはそのまんま「氷」から創造できるものがあてはめられていますが、少し細かく言うと、北欧神話において「火」と「氷」はかなり重要な要素です。
 というのも、宇宙はこの二つの物が交配して誕生していると考えるからです。
 これはアジアの「陰陽」思想に似ているところがあります。
 え?氷が?と思う人もいるかもしれません。
 「火」は人間において創造も関連するものです。
 火があるからこそ文明が発展していくわけです。鉄を溶かすなどなど・・・。
 では氷は?というと、この北欧神話はさむーい地域が主体の話です。
 冬になって氷で大地が埋め尽くされますが、その氷で土地に長期間の封印がなされるからこそ、土地が回復して肥えて、また春に作物が実る肥沃な大地が生まれるわけです。
 火は破壊と光、そして創造、氷は破壊と闇、そして再生という考え方になってくるわけです。
 そんなわけで火と氷から宇宙は誕生したわけです!(という解釈ですね)。
 ということで、その2で紹介したファーストアエットの炎の表現を持つ「ケナウ(ケナズって言う人もいます)」と対をなすルーン文字だと主張する人もいます。


ジェラ
E:ジェラ A:ゲル(イオール) Y:アール
意味:(良い)年・収穫・うなぎ・たくさん
表現:報酬・夏・労働の成果・新しい発展
 この文字の由来ははっきりとわかっていません。
 ゲルマン語での「ジェラン(jeran)」という言葉が英語でいう「年(year)」という言葉の起源だという主張から「年」という意味は解釈されているようです。
 なんですが、当時はこの言葉は「季節」「収穫」「豊か・繁栄」という意味を持っていたそうです。
 これでわかるように、由来はわからないものの、昔からあるのでなんとか意味を解釈しようとした結果、導き出されたという感じです。
 ちなみに5世紀ごろには、このjeranの頭文字のjが省かれて使用されたりなどの複雑な事情が解釈の混乱を呼んでいるということもあり、面倒なんです。
 なお、A(アングロサクソン)ではこの文字の派生?のようなものがあり、それはイオールと呼ばれなぜか「うなぎ」を意味するということです。
 (つまり疑似ルーンに相当する感じですね。なので忘れてもらってもかまいませんw一応説明として書いてみただけですので)。
 人によっては「夏」という意味合いを入れてありますが、これは北欧では夏がもっとも収穫量が多い時期になりますので、そこから導きだしたのかと思います。
 なお、詩からの解釈だと野外のお祭りや、大規模な食事会という意味が読み取れると主張する方もいます。

エイサク
E:エイハズ A:エオウ Y:
意味:イチイの木
表現:強さ・信頼・冬の季節・健康
 意味はイチイの木です。
 この木はしばしば儀式などに使用される木で、キリスト教だと不死と結び付けられているので、教会の庭などに植えてあることがあるようです。
 歴史的には弓を作る際の材料とされ、一時期、かなり重宝されています。
 表現は完全にイチイの木の歴史的イメージと木そのものの性質から引っ張ってあるようです。
 ただ、アングロサクソンの詩には「炎の守護者~」みたいな文言も含まれているようで、そのあたりを解釈に含めている人も多いみたいです。

ペルトロ
E:ペオロ(正式には不明) A:ペオルス Y:
意味:梨の木(正式には不明)
表現:秘密・謎・運命・未来
 歴史的な資料を見ても、解読不能というか、解読するのに材料が少ない文字です。
 一応、梨の木に関わるなにか?ではないかという推測がなされています。
 (ただ、普通に梨のことを指しているわけではなく、果樹全般を指す言葉なのではないか?という意見もあります)。
 娯楽に関連する木製のなにかを梨の木で作ったのではないかとも言われ、しばしばゲームに関するもの、つまりゲームボックスのようなものや、木管楽器の材料として使われたものを表している可能性が高いというのが現在の見解のようです。
 ルーン詩ではこの文字の指す物は偉大な人たちの娯楽の源であり、戦士たちは酒場(ビアホール?)で幸せに座っていますというような説明があるため、占いにおいてこの文字を「カップ」という意味にしているようです。
 ただし、詩だけ見ると酒場で使うカップから意味を取ったように見えますが、ここでのカップというのは酒を飲む道具の他に、賭けの道具という意味も含めているようです。
 酒場で戦士たちが集まれば賭け事に興じます。
 一番手っ取り早い賭け事の道具はもちろん、お酒を飲んでいた「カップ」なわけです。
 カップをひっくり返してコインを隠して、どのカップに移動したかで賭けるものや、サイコロを使ったものなどになるわけです。
 そういったところから「カップ」の意味合いにゲーム的な解釈も含めて考えてるというわけです。
 ※ちなみに、サイコロは世界的に古い時代から存在し、紀元前には確認されているため、この頃のヴァイキングたちももちろん使用していたと思われます。
 なので表現に秘密や運命や謎みたいな解釈が入るわけです。
 私的にはそこに幸運や勝利などに意味も含めたいところではありますがw

アルギス
E:アルギス A:Eolhx(エルク?) Y:Yr
※この文字はすべてのルーン文字の歴史において読み方がはっきりとわかっていません)。
意味:ヘラジカ
表現:保護・神とのコミュニケーション・勇敢さ・防衛(精神的にも肉体的にも)
 ヘラジカの意味だと紹介していますが、実はまだはっきりとわかってません。
 いまのところ、このアルギスという名前とヘラジカという意味は正確ではないという意見のほうが強いです。
 ヘラジカに関しては、これは当時、グリム兄弟の弟が提唱したアングロサクソンの詩から読み取れる、eolh-secgもしくはeolug-secgという部分からの流れです。
 しかしながら、これにまったをかける論争があります。
 むずかしいのではしょりますが、このeolh-secgなどの類似語はすべてもとの音価から外れたものではないかという話が出るわけです。
 そうなると「ヘラジカ」という意味はアングロサクソンの詩からの連想であるため、間違いであるということになるわけで・・・。
 ならばeolhというもとの言葉から辿れば、本当の意味がわかるんやない?となり、調べた結果「保護・防衛」という意味が導き出されたわけです。
 現在では、実際、ヘラジカと保護・防衛という意味から連想した表現が混ざり合って使用されてる感じです。
 (ここの部分は本当に難しいので、かなりはしょった説明をしてますのでご了承ください)。


ソウィル
E:ソウィロ  A:シーゲル Y:ソル
意味:太陽
表現:健康・肯定的な変化・成功・幸福
 この文字の意味は、三つのルーン詩すべてに共通で確認できるため、太陽という意味があてはめられています。
 北欧神話では確かオオカミが太陽を引っ張っていて、最終的にラグナロクにおいて太陽を食べちゃった気がします。
 文字的にはなんだか太陽というより「光線」(たとえば雷や太陽の光そのもの)を意味してるように見えます。
 ※実際、ノルウェー語のルーン詩では、太陽は世の光ですというような意味で書かれています。またそのあとに神の命令に頭を下げるということも書かれているようなので、やっぱり光線のような意味に感じます。



 といった感じでセカンドアエットの説明は終わります。
 ルーン文字の解読というか、正確な意味ってまだまだ謎だらけなんですよね。
 最近、まったり引っ越し準備してるので、なかなかブログや動画を作る暇がありませんw
 引っ越し屋に一気に頼めば早いのですが、なんかそれすると短期間でバタバタしていやだなぁと思ったんで、自分たちでじっくりやってる状態です。

 次の動画には比較的後世の北欧魔術でエルフやドワーフに祈る儀式などを紹介する予定ですが・・・。
 
 気長に待っていてください(;;)

 それではまた・・・

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